足場は高所作業を安全に行うために欠かせない重要なもの。
足場の組立て等作業従事者特別教育(足場特別教育)とは足場の組み立てや解体などに従事する作業員を対象とした資格で、対象業務に従事している人は受講する義務があります。
足場の組立て等作業従事者特別教育とは?
足場の組立て等作業従事者特別教育(足場特別教育)は現場の安全を高めるため、足場の組み立てや解体などに従事する作業員を対象とした資格です。
足場からの墜落・転落災害の防止のため、平成21年6月に安衛則が改正され、足場等の墜落防止措置等の見直しが行われました。
しかし見直しによる労働災害防止の効果などを検証した結果、さらなる対策の推進を図る必要があるとして平成27年7月1日に改正が行われ、足場特別教育の受講が義務化されました。
足場特別教育の受講の対象となる業務は「足場の組み立て・解体・変更に関わる業務」です。
つり足場と張出し足場を除き、足場の高さに規定がないので、すべての高さの足場を組む人が取得の対象となります。
地上または床上での足場材の運搬・整理といった補助作業をする方や足場のある場所で高所作業をする方など、足場の組み立てに関連しない業務は対象ではありません。
労働安全衛生法第59条-3/労働安全衛生規則第36条‐39
足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務(地上又は堅固な床上における補助作業の業務を除く)
よく混同してしまいがちですが、「足場の組立て等作業従事者特別教育」と「足場の組立て等作業主任者技能講習足場特別教育」は全く別の講習です。
足場の組立て等作業主任者技能講習は「足場の組み立て作業の指揮監督者を養成するための講習」なので特別教育とは異なる講習であり、「足場の組立て等作業従事者特別教育」の受講だけでは作業主任者になることはできず作業現場の指揮監督などはできませんのでご注意ください。
足場の組み立て等作業主任者技能講習については以下の記事に詳しくまとめてありますので、こちらをご一読ください。
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足場の組立て等作業主任者技能講習の受講の流れや料金、試験時間、受験条件は?
足場の組立て等作業従事者特別教育の内容や受講資格について
足場の組立て等特別教育に特別な受講資格はないため、実務経験がなくても受講できます。
足場の組立て等作業従事者特別教育の講習は実技はなく、学科のみとなっています。
足場の組立て等作業従事者特別教育の講習の受講時間は6時間と3時間の2種類あります。
現在足場作業に従事しているかどうかで受講時間が変わってきます。
平成27年7月1日時点で従事している方は3時間、未経験でこれから従事する方は6時間の講習が必要となります。
受講内容はどちらも共通ですが、科目ごとの受講時間が変わります。
■6時間の場合
・足場および作業の方法に関する知識:3時間
・工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識:30分
・労働災害の防止に関する知識:1.5時間
・関係法令:1時間
■3時間の場合
・足場および作業の方法に関する知識:1.5時間
・工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識:15分
・労働災害の防止に関する知識:45分
・関係法令:30分
これらの学科をすべて受講し、その後発行される修了証を受け取れば足場の組立て等特別教育の資格を取得したこととなります。
(安全衛生教育にあたるため、作業主任者講習のように修了試験を受ける必要はありません。)
受講時間の違いについては下記の記事により詳しくまとめてありますので、ぜひご一読ください。
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足場の組立て等特別教育の3時間講習と6時間講習の違いは?
足場の組立て等作業従事者特別教育の受講方法、料金は?
足場特別教育の受講費用は3時間で7,000円前後、6時間で1万円前後が相場です。
ただし、開催する団体によって費用が多少前後します。
建設労働者確保育成助成金の対象となっているので条件を満たす企業に勤務している場合、申請をすれば助成金を受けることができます。
足場の組立て等作業従事者特別教育は以下のような団体で受講することができます。
受講までの流れは各団体によって異なりますので、記載の公式ホームページより申し込み方法等ご確認ください。
建設業労働災害防止協会
6時間の講習+テキスト代で料金は8,000円程度。
費用が比較的安いのでオススメです。
労働技能講習協会
料金は10,000円と建災防よりも高め。
企業への出張講習を行っているので会社で受講するという選択肢もあります。
Web講座(オンライン講座)
料金は8,000円前後。
講習会に行くのが難しい方や最短で受講を修了したい方にオススメ。
CECC 一般社団法人 建設不動産総合研修センター 公式ホームページ
まとめ
今回は、足場の組立て等作業従事者特別教育について詳しくご紹介し、受講資格や受講方法、料金などについて解説いたしました。対象業務に従事する方は受講が義務付けられていますので必ず受講するようにしましょう。実務経験によって省略・短縮される科目もありますので、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。