現場で職人さん方の安全を支える足場板。
足場板は命を守る大切な仮設資材であるため、足場板に関する安全基準を定めた法律も存在します。
足場板の安全基準を定めた法律
足場板だけの安全基準を定めた法律ではありませんが、足場に関連する安全基準の全般を定めた法律「労働安全衛生規則」があります。
労働安全衛生規則は、労働の安全衛生についての基準を定めた厚生労働省の省令で、労働安全衛生法及び労働安全衛生法施行令に基づいて定められています。
平成27年7月1日に労働安全衛生規則の改正があり、足場の組み立てなどを行う作業者に特別教育を受講させることや墜落防止措置についての新たな規定などが追加されました。
ここからは労働安全衛生規則に定められている足場板に関連する規則を抜粋してご紹介いたします。
足場に関わる諸規則を理解し、現場の労働災害防止のために意識を高めていきましょう。
足場の組立てなどの作業の墜落防止措置
足場の組み立てや解体・変更、足場材の緊結・取り外し・受け渡しなどの作業を行うときは、以下のような措置が必要となります。
- 幅40センチ以上の作業床を設置(困難な場合を除く)
- 労働者に安全帯を使用させるか、もしくはそれと同等以上の効果がある措置をとる
また、吊り足場や張り出し足場、高さが2m以上の構造になっている足場の組み立て・解体を行う場合はさらに以下の措置が必要となります。
- 組み立てや解体作業を行う時期・範囲・順序を、この作業に関わる労働者に周知する
- この作業を行う区域内には、関係労働者以外を立ち入り禁止にする
- 悪天候で作業に危険が予想される場合、強行せず作業を中止する
- 材料や器具などの上げ下ろしを行う場合は、つり綱やつり袋を使用する
足場の組立などの作業のための特別教育
平成27年7月1日以降、足場の組立や解体を行う作業者に対して特別教育を実施することが義務化されました。
特別教育では
- 足場及び作業の方法に関する知識
- 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識
- 労働災害の防止に関する知識
- 関係法令
上記の4つの科目を受講します。
ただし、平成27年7月1日の時点で、すでに足場の組立などに従事していた方や業務に習熟しているとみなされる方については、一定の基準を満たした場合教育が免除されたり短縮されることがあります。
足場の組立などの後は注文者も点検が必要
現場の組立・解体・変更後は、足場は組み立ての作業に従事する者だけでなく工事の注文者も次の作業に移行する前に足場の点検や修理を行う必要があります。
ただし、足場の構造に大きな影響を及ぼさないと考えられる一部分の解体や、足場の構造部材ではない設備などを取り外す場合は含まれません。
足場の作業床に関する墜落防止措置
足場の作業床に関する規則が平成27年7月1日に改訂されました。
今までは足場の作業床の幅は40cm以上と定められていましたが、改定後は床材と建地との隙間を12cm未満に設定することが必要となっています。
また、足場用墜落防止設備を取り外す場合の対応として、以下の3つの規則があります。
- 安全帯を安全に取り付けるための設備を設置し、かつ、労働者に安全帯を使用させるか、同等以上の効果がある措置をとる
- 関係する労働者以外が立ち入らないようにする
- 必要によって足場墜落防止設備を取り除いた場合は、その作業が終了したら、すぐに設備をもとに戻す
鋼管足場(単管足場)に関する規定
鋼管足場に関する規定も改正されました。
鋼管足場の建地の最後部から31mを超える部分の建地は、建地の下端に作用する設計荷重がこの建地の最大使用荷重を超えていない場合、鋼管を2本組にする必要はありません。
まとめ
今回は、足場板の安全基準を定めた法律について詳しく解説いたしました。
いかがでしたでしょうか。現場の安全を守る重要な足場板。関連する法律や規定についてしっかりと理解を深めて作業にあたるようにしましょう。