こんにちは。足場工事マガジン編集部です。
おかげさまで足場ベストパートナーは設立してから3期目を迎えました。
今回は伊藤社長にインタビューを行い、3期目の戦略について話を聞きました。
社長さん一人一人と向き合うために、日本全国を駆け回った2年間
2017年に足場ベストパートナーを設立してからの、この2年間の歩みを教えてください。
伊藤社長:足場ベストパートナーは2019年6月1日で設立3年目を迎えました。皆様のおかげです。改めて感謝致します。現在の会員企業数は2年で180社になりました。この2年間は全国の足場工事会社の社長さんに会いに行くということを主に行いました。それに加えて、足場工事業界にあったらいいなというサービスの開発を行いました。まずは会員企業を増やして土台作りをするために、全国津々浦々まで自分の足で伺ったのです。今はWEBからお問い合わせをいただいた会社の社長さんに会いに行くということを主にやっています。
私たちは必ずご入会前に面談の機会を設けています。「簡単登録で会員数をかせぐ」という一般的な戦略とはあえて逆の方法を取っているのです。お問い合わせをいただくのはネットからですが、リアルなコミュニケーションを重視しています。
しっかり対面で向き合って面談し、お互いの想いを伝えるというところは決して手を抜きません。全国へ伺うので毎月の交通費がかさみます(笑)しかしこれだけのパワーをかけて全国の足場工事会社の社長さんに会いに行っている人は他にいないと思います。
前回取材したときにも「誰でも入れる」というスタンスは嫌だという会員さんもいらっしゃいましたし、入会前にしっかり対面で話をしているというのはこれから入会する方にとっても安心ですよね。全国の足場工事会社の社長さんに会いに行って、気が付いたことや見えてきたものはありますか?
伊藤社長:みんな悩みが一緒、ということです。営業、職人さんの採用、定着、資金繰り、この4つです。一つ一つは悩みが大きいように見えますが、みんな同じだったんです。
足場ベストパートナーでは同じ悩みをみんなで共有して、既に解決した人からその方法を聞くなど、1人が学んだことを皆でシェアする取り組みをさらに強化していきます。それがこの「足場工事マガジン」の役割です。
足場工事業界に特化をして支援してくれる会社は今までなかった
今回、これからのビジョンというテーマですが、その前に設立当初のことも皆さんにお伝えしておきたいなと考えています。会社設立時、なぜ足場工事業界にターゲットを絞ったのでしょうか?
伊藤社長:当初は親会社(株式会社アイランドブレイン)の営業コンサルタントとして建設業界に足を踏み入れ知り合いのお客様が沢山増えたのですが、建設業界は職人不足だと言われている中で、職人さんが集まっている会社と集まっていない会社があったのです。
「何が違うんだろう?」と思って、職人さんが集まっている会社の方に話を聞いたら「こういうブログやFacebookから応募が来る」「こういった採用方法あるよ」と教えてもらいました。それをそのまま仕組み化して他社に提供したところ成功したんです。そこから足場工事会社の社長さんにも提案したところ「やりたい!」という話になって、自然と足場工事会社のコンサル業務が増えて行きました。
その中で気づいたことが2つ。足場工事業界は建築や建設をするにあたって必要な業界にも関わらず、足場工事会社に特化して支援してくれる企業がないということ。そして他の業界に比べて横の良い繋がりがないということです。
塗装なら塗装組合、左官なら左官組合があるのですが、足場工事業界にはなかったので、私たちで創っていこうと足場ベストパートナーを設立させていただきました。
(経営者視察会の写真)
なぜ足場工事業界には組合がなかったのでしょうか?
伊藤社長:あることはあるのですが、ほとんど組合を組織している会社が足場工事を自社でやっている会社なんです。組合の場合だと集まって価格の談合をして叩かれたりすることがあり「あまり行きたくない」という話を頻繁に耳にします。
また例えば、地元のコミュニティでは横のつながりを持ちたくないなどそういった声もあります。
弊社は足場工事会社ではないので、そういった「しがらみ」を与えることはありません。
私たちの強みは足場工事会社さんの成功事例をたくさん知っていることと、全国に優良な足場工事会社さんとの良いネットワークがあること、この2点です。
「あったらいいな!」足場工事業界の夢のサービスを自ら実現
伊藤社長が今まで作ってきた足場工事業界に必要なサービスには、どんなものがありますか?
伊藤社長:「足場PAD」という施工管理アプリが、9月に本格的にリリースされます。これは施工管理アプリのシェアNo.1であるANDPADさんとコラボして、1年半ほどかけて開発を行っています。
ANDPADさんはアメリカのセールスフォース・ドットコムから4億円の資金調達を受けて施工管理アプリで業界No.1で2000社以上導入している開発会社様です。足場工事会社には日々の段取りが必要なのですが「足場PAD」は日々の職人さんのスケジュール管理や破損の管理、備品や写真の管理ができるアプリです。
私たちはこの「足場PAD」を元に、足場工事業界の働き方をどんどん変えていこうと思っています。今まで足場工事業界で一元管理できるソフトは存在しませんでした。私たちは足場工事業界にあったらいいなというサービスを開発していきます。IT企業だけでは足場工事業界のこのようなニーズを拾い上げるのは難しいことですが、私たちが一緒に共同開発することで足場工事業界との架け橋になるのです。
「足場PAD」は足場工事会社のどのような課題を解決できるのですか?
伊藤社長:足場工事会社にとって一番の課題である、日々の職人さんの手配やスケジュール管理など、特に段取りの部分です。足場工事は他業種と違って現場が多く、戸建でも何十物件もあるんですよ。日々異なる現場にどのように職人さんや材料、車両を振り分けていくのかに悩んでいるんですね。
大規模修繕などは工程が長く段取りが日々違いますが、このアプリによって手配を効率化できます。施工写真の管理や、安全パトロールの管理で写真を撮って「ここは是正箇所ですよ」とまとめることもできます。
「足場PADでは材料の管理もできますか?
伊藤社長:材料の管理は次のバージョンで可能になるよう、これから開発していく段階です。アプリなので機能を追加してどんどんバージョンアップできるのが強みですね。お客様から要望を吸い上げて毎月打ち合わせを行い、良いものを作っていきます。「足場PAD」は9月から本格的にリリースします。
経営理念から共に創る、求人サービスも開発
その他にも足場工事業界のために作ってきたサービスはありますか?
伊藤社長:「足場工事会社向けインディード挑戦パック」という求人サービスを、株式会社ドライバンクさんとコラボして開発しました。よく足場工事会社の社長さんが「職人が集まらない」と悩んでいるのですが、求人原稿を見せてもらうと「日給、月給、場所」、それしか載せていないんです。「これでは来ないですね」と。
HPを持っていない会社さんも多いので、HPの作成支援も行っています。HPとプラスしてインディードを活用していきます。最近では若い人は職探しをする際にインディードを見ているので、そこを活用する必要があるのです。
求人に悩んでいる会社さんは広告に対するPDCAが回っていない状況があるんですね。ドライバンクさんには広告運用のノウハウがあり、私たちは響く求人を作るためのサポートができるので、コラボしてサービスを行っています。
求人原稿も作ってもらえるのですか?
伊藤社長:その会社の個性や良い部分、特長をしっかり伝えるための求人原稿は足場ベストパートナーが作ります。求人広告の会社は足場工事の仕事をよくわかっていないので「稼げますよ」くらいしか載せることができません。
しかし私たちは会社の経営理念やビジョン、ミッション、行動指針を一緒に作るところからお手伝いさせていただいています。それを元に発信していくのです。HPも同じで経営戦略があってのWEB戦略ですよね。「足場工事会社向けインディード挑戦パック」は、そこを一緒にやりますよというサービスです。
既に5社ほど導入いただいていて成果が出ています。ちゃんと職人さんにアンケートをとって、業界に入ったきっかけや会社の魅力、前職は何をやっていたのかなど、調査するのです。求人に悩んでいる会社さんは足場職人を募集しようとするんですが、インディード上では「足場職人」というキーワードで検索されていないんですよ。
足場職人になりたい人だけでなく、足場職人になり得る人へのアプローチが必要なんです。例えば前職がトラックドライバーや塗装職人だった方々に向けて、足場工事業界の魅力や価値を伝えてそこからいい人財を呼び込むのです。業界内の経験者ももちろん採用していきますが、未経験の方たちに対して足場工事業界の価値や魅力を伝えていくご提案もしています。
具体的にどのような実績が出ていますか?
伊藤社長:岐阜の足場工事会社を経営しているKRS株式会社さんでは、今までハローワークや無料求人サイトに掲載しても全く問い合わせがなかったのですが、「足場工事会社向けインディード挑戦パック」を利用したところ掲載後すぐに問い合わせが来ました。1ヶ月で3人です。面接に来た方々は皆さんインディードの記事を読んで会社の特色や内容を把握しているので、面接もしやすかったというお声を清野社長からいただいています。
(会員企業様と)
目指すは全国470社!各地で良い横のつながりを強化
足場ベストパートナーは間もなく3期目に入りますが、3期目はどういう年にしていきますか?
伊藤社長:まず全国で会員企業を増やしていきます。現在の180社から、400社に増やします。全国47都道府県で470社を目指して、47都道府県の核になる方たちを作りたいですね。
栃木だったら●●建設、秋田だったら●●建設、と。今はまだそのような会員企業様がない地域もあるのでこれから探していきます。そして支部ごとの集まりも強化します。
北海道・東北、北陸、関東、東海、関西、中国、四国、九州、沖縄と、支部ごとの集まりを3ヶ月に1回開催して、支部の横のつながりを強化していく年にします。また30歳以下の社長さんの集まりである青年部をより強化して、2ヶ月に1度開催していきます。
青年部に力を入れることには、伊藤社長のどんな想いがありますか?
伊藤社長:企業の存続年数や社長の年齢に応じて抱えている課題はそれぞれ違います。
年齢を一つの基準として、青年部は青年部で特別に学ぶ場を作っています。30歳以下の若い社長さんをしっかりサポートして、業界を変える人たちを輩出していくのが青年部の役割なのです。
年齢による課題の違いはどんなところにあるのでしょうか?
伊藤社長:30歳以下の社長さんは名刺交換の仕方から、財務、資金調達、営業方法など、ビジネスの基礎知識が必要な場合が多いです。
30歳以上になると次の戦略が必要になってきます。足場工事以外の事業をどう作っていくのか、拠点展開など、経営の方向性についての課題が30歳以上の社長さんの悩みなんです。
私たちは職人さんを終身雇用できるビジネスモデルを足場ベストパートナーで作っていく必要があると考えています。
職人さんも元請けさんも、足場工事会社のことなら足場ベストパートナーへ!
その他にも3期目のテーマはありますか?
伊藤社長:来期のテーマは、職人さんが足場ベストパートナーへ集まるようにすることです。一人親方や転職希望の職人さんから「どこかいい足場工事会社さんはありませんか」とお問い合わせをいただけるような仕組み作りですね。
それを足場工事マガジンや足場工事会社の求人サイトで行っていきます。
さらに、元請企業さんに対してのサービスも創っていきます。これまでも元請企業さんから「どこかいい足場工事会社はないですか」とお問い合わせをいただいて、足場工事会社さんを紹介していました。
ある全国展開しているリフォーム会社さんからは「経営戦略の一環として、いい足場工事会社さんを足場ベストパートナーに選んで欲しい」というご要望をいただいたこともあります。
元請企業さんは、どういったことにお悩みだったのでしょうか?
伊藤社長:いい足場工事会社を見つけられないという課題です。職人さんの教育やマナーはどうか、ちゃんと施工してくれるのか、対応力はあるのかなど、HPがないのでどこを検索していいかわからないというお悩みでした。
そんな時に私たちのHPを見つけてくださって、私たちに足場工事会社を選んで欲しいとご要望をいただいたのです。足場ベストパートナーなら信頼を元に、ちゃんとやってくれる会社さんをご紹介できるからです。
自社では見つけようがなかったのですね。
伊藤社長:信頼できる会社かどうかってわからないですよね。
今までは電話や飛び込みで仕事をお願いしていたそうですが、なかなか受けてもらえなかったそうです。私たちが間に入ることによって、定期的に発注が可能な、ちゃんとした会社さんをご紹介できるようになりました。
業界に必要なサービスや新たな働き方モデルを創っていきたい
その他、今後計画していることはありますか?
伊藤社長:足場工事会社に特化した「M&Aサービス」を、M&Aのコンサル会社さんや建設ビレッジさんとコラボして展開していきたいと思っています。M&Aでは会社を全部購入することもありますが、私たちは特に、株式の20〜30%を買って社長を代えない業務提携型のM&Aを推進していきます。業務提携することによって、その会社に仕事を発注出来るようになります。
例えば後継者がいない足場工事会社を買ったり、愛知を拠点にしている足場工事会社が東京の足場工事会社を買ったりします。最近では若い社長さんで、材料を5〜6棟分持っていても経営能力や営業力が不足している会社さんもあるので、そういった足場工事会社を買います。さらに、足場工事会社の新規事業として塗装会社や介護施設など他業種の会社を買うM&Aも行っていきたいと思っています。
「M&Aサービス」の目的は、足場工事会社の事業拡大と従業員の終身雇用にあります。足場ベストパートナーでは、今後業界で課題となる後継者不足に対する取り組みとしても「M&Aサービス」を推進していきたいと考えています。
私たちは足場工事会社にサービスを提供したい企業さんをどんどん集めて、業界に必要なサービスをコラボ開発していきます。足場ベストパートナーでは、あったらいいなを一緒に作っていく会社さんを募集しています。例えば材料や備品、車など、足場工事業者が使う色々なものを一緒に作っていきたいですね。
(面談時に必ず持参する資料。新サービスも紹介予定。)
会員企業さんと実現していきたいことはありますか?
伊藤社長:足場ベストパートナーは、足場工事業界の未来を共に創る会社です。足場工事業界の働き方改革は絶対に実践していく必要があると感じています。
どのような働き方がいいのか、みんなで議論しながらいいモデルを創っていきたいですね。
伊藤社長から見て、足場工事業界の働き方のどんなところを変える必要があると感じていますか?
伊藤社長:まず一番に積み込みにかかる時間の長さですね。翌日持っていく材料を、現場から戻ってトラックに積み込まなければならないのですが、遅くまでかかるので職人さんの負担になっている現状があります。
それを改善するための「積み込みシステム」を開発したいと考えています。また、賃金体系についても、どのようなものにしていったらいいか考えていることがあります。今の雇用形態は個人で仕事を請けるか、社員になるかですよね。副業OKなど新しい働き方を取り入れ始めている足場工事会社さんも出てきています。足場ベストパートナーで、新たな賃金モデルや新たな評価モデルを創っていきたいですね。足場工事業界の未来を一緒に創っていきたい足場工事会社様は是非一度お問い合わせください。きっとみんなで足場工事業界の明るい未来が創れます!
ありがとうございました!
まとめ
足場ベストパートナー3期目のビジョンを語る伊藤社長の活き活きとした目には、会員の皆さんと共に創る足場工事業界の明るい未来が映っていました!
「足場工事マガジン」では、足場工事業界で今まさに起こっているリアルな情報を共有していきます。他社の取り組みや教育・採用方法などの成功事例を取り入れて自社の課題解決に役立てていただくことで、足場工事業界全体の発展を目指します。
【お知らせ】
足場ベストパートナー二周年設立記念パーティー兼伊藤誕生日会のご案内
8月1日で足場ベストパートナーは二周年になります!いつもありがとうございます!
また伊藤が8月2日に誕生日ですので、毎年恒例の誕生日会も含めて行います!ご縁がある方が繋がって頂き、より良いビジネスが生まれればと考えております!
初参加の方も歓迎いたします。ぜひ仲の良いお仲間をお連れ頂ければと思います。
日時 8月1日18時から22時
場所 東京都千代田区内幸町2丁目2-1 レストラン日比谷アラスカ
http://xn--ccks4bb7e1jbt0e.jp/presscenter/
参加人数 100名限定
参加費
一人 一万円
懇親会は別途費用
名刺を100枚以上持ってきてください。
当日の流れ
18時受付開始
18時半スタート 伊藤挨拶
その後大名刺交換会 全員と名刺交換をして頂きます。
19時から歓談
20時から スペシャル講演 講演者は後日お伝えします!
20時半から 伊藤 足場ベストパートナー第2期の取り組みと第3期経営方針発表