足場板とは建物を建築したり改修したりする際、高所作業をする人たちの仮設の作業床や通路として使用される板のことです。
足場板は作業員さんの安全を守るため、十分な強度が求められます。
足場板には金属製のものと木製のものがあります。
現在はスチール製やアルミ製などの金属製足場板が使用されることが多くなってきていますが、合板や杉の木製足場板しか使用ができない現場もあり、木製足場板が現役で使用される場面もあります。
足場板のそれぞれの材質ごとの強度や特性を知ることは現場の安全性をより高めることにもつながりますのでしっかりと把握しておきましょう。
足場板の材質の種類はどんなものがある?
建設現場等で使われる足場板の材質の種類は大きく分けて木製のものと金属製のものがあります。
木製のものには合板足場板、杉足場板があり、金属製のものにはアルミ製、スチール製のあります。
- 金属系→アルミ足場板、スチール足場板(鋼製足場板)
- 木質系→合板足場板、杉足場板
近年建設現場などで使われる足場板の材質はアルミ製が中心となっており、アルミ製足場板の中でも伸縮ができるタイプのものがよく使われます。
最近は金属系足場板が使われることがほとんどですが、現場や用途によって木製を利用することもあります。
古来から親しまれてきた杉足場板は関西以西では未だに根強い人気がありますが、関東ではほとんど使用されません。
足場板の材質ごとの特徴と違いについて【アルミ製・スチール製・木製】
足場板は建設現場などで作業をされている職人さん方の安全や作業効率を高めるためにも重要な役割を果たします。
そのため現場に合わせて適切な素材の足場板を選ぶ必要があり、また安全のためにもその材質ごとの強度・耐久性などの特性をよく理解しておくことが重要となります。
ここからは各材質ごとの特性や違いを詳しくご紹介していきたいと思います。
木製足場板
木製足場板には杉足場板と合板足場板の2種類があります。
杉足場板は高速道路、橋梁、各種工事などで平均して3~5年利用されますが、人命をあずかる重要な部材のため強度が弱くなったら引退となります。
木製足場板は材料が杉などの「木」であり自然のものからできていますので個体差が生じやすく、厳密にいうと強度などは少しずつ異なります。
また、木材は温度変化によって横方向にはかなり伸縮します。
これが大きな欠点とされていますが、合板足場板は奇数枚の単板(木材の薄板)を木目の方向を直交させて接着剤を用いて貼り合わせたもののため、伸縮の割合が極めて小さく、木材の膨張や収縮などによる寸法の狂いが小さいことが特徴です。
合板足場板は単板構成比(表板及び裏板と同一繊維方向の単板の合計厚さに対する比率)を60%~80%にしてたわみを少なくしてあり、木製足場板の中でも一層丈夫な足場板となっています。
アルミ製足場板
近年建築現場などで使われている足場板はアルミ製が主流となっています。
アルミ合金製はアルミ製足場板の中でもさらなる軽量化を実現している材質です。
堅牢性・安全性を兼ね備えていて作業効率を大幅に向上してくれる足場板です。
耐食性にも優れていて、経年変化による強度低下がなく、半永久的に使用可能なところも強みですね。
表面に円周フランジ加工を施してある足場板も多く、水・油・砂などの付着や凍結にも強く、抜群の防錆効果を発揮します。
重量は合板の約2分の1と軽く、輸送コストの大幅な低減にも貢献しています。
スチール製足場板
建築現場で使用する足場板に関しては地域差があり、関東などでは鋼製足場板が主流です。
スチール製の足場板は木製の杉足場板に比べて劣化が少なく、腐食・衝撃など 耐久性に優れています。
たわみ・歪みに対しても頑丈で、強度の高さが特徴と言えます。
重量は木製の合板足場板より30%ほど軽く、取り扱いや運搬等が容易に行えるというメリットもあります。
最大強度で使用荷重150kg(1470N()1800スパ ン)に対して2.5倍以上あるものも多く、安全性も高いです。
また同一荷重におけるたわみはアルミや合板製足場板の半分ほど。
強度面に優れており、維持管理がしやすいという特徴を持ちます。
足場板の種類別の強度や耐久性についての具体的な数字をまとめた記事もありますので、ぜひこちらもご一読くださいね。
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足場板の種類別の強度は?足場板の耐久性について解説
まとめ
今回は足場板の材質の種類について、アルミ製・スチール製・木製の特徴と違いについて詳しく解説いたしました。
材質によって強度や耐久性、使われる場面なども異なります。
材質の違う足場板のそれぞれの特性への理解を深めることが現場の安全性を高めることにもつながります。
しっかりとチェックしておくようにしましょう。