今の日本では高校、大学と進学するのが一般的ですが、たとえば経済的な理由から進学出来ない人が一定数いるのも事実です。
また、学校での教育に価値を見出せず、同じ時間を過ごすならすぐに社会に出て働きたいという学生もいるでしょう。
今読んでいるあなたがどのような経緯から鳶職を目指しているかはわかりません。
しかし、何らかの事情から、鳶職人として働いて本当に大丈夫なのか?と悩んでいるのは、共通しているのだと思います。
中卒でも鳶職になれる?
結論から言うと、中卒でも鳶職になることは可能です。
鳶職は学歴に関係なく、未経験でも働くことができます。
実際に求人を見てみると、「未経験可」や「学歴不問」という言葉が入っていることがほとんどです。
しかし、そうは言っても「本当は門前払いされるのでは?」や「本当になれるの?」と疑心暗鬼な人もいると思います。
鳶という職業についての理解があまりなく、想像しにくい部分もあると思うので、続けて鳶職の実態についてみていきましょう。
鳶職ってどんな人が働いている?
鳶職人として働いている人のほとんどは中卒です。
正確な数値はわかりませんが、鳶職人の9割が中卒あるいは高卒だと言われています。
学生時代はヤンチャしていた人が多く、金髪や茶髪、ピアスもそれほど珍しくありません。
鳶職は元ヤンキーの人も結構いて、ヤンキーは縦社会ですから、鳶職の世界でも上下関係がかなり厳しいです。
荒っぽい言葉遣いや理不尽な命令などに耐えられる精神力がなければ、続けるのは難しいと思います。
しかし、一度信頼関係を築ければ、とても温かく接してくれる面倒見のいい人もたくさんいるので、そこまでは辛抱が必要になるかもしれません。
鳶職はどんな仕事をするの?
鳶職の仕事と聞くと、高いところで足場を組んだり、大きな鉄骨を肩に担いで運んでいる姿をイメージするかもしれませんが、18歳未満は5m以上の高所作業ができません。
そのため、18歳になるまでは先輩とびたちが働きやすいよう、部材を所定の位置にひたすら運ぶといった雑用の仕事がメインになります。
ちなみに、中卒で働くと「親権者の同意」が必要なほか、残業ができない・深夜に働けない・高所作業や重量物の移動はできないなど「様々な制約」があるので、その辺りも事前に理解しておきましょう。
鳶職のきついところは?
厳しい人間関係や、荒っぽい言葉遣いなどの精神的なつらさに加えて、肉体的なつらさがあることです。
夏は暑く、冬は寒い職場環境。
外なので冷暖房もありません。
その環境の中で重さ10kgもの鉄の部材を肩に担いで運んだり、地上から上に向かって思い部材を投げたりしないといけないので、筋肉と体力が求められます。
そして、それだけ必死に働いても若い頃はあまり稼げない傾向にあります。
鳶職の魅力は?
鳶職の最大の魅力は稼げることでしょうか。
さきほどと言っていることが矛盾しているように感じるかもしれませんが、
親方になってスキルを磨いていけば、年収600万円〜1,000万円も狙えるからです。
また、手に職をつけることができるのも大きいです。
鳶職人としてのスキルさえ身につけておけば、転職先も結構簡単に見つかります。
手に職をつけることで、食いっぱぐれずにすむのは鳶職として働くメリットといえるでしょう。
参考までに、中卒で働いた時にもらえた初任給をご紹介すると、日当6,000円でした。
月に25日くらい働いていたので、月収15万円ちょっと。
中卒で何の役にも立たない若造に対して、月に15万円も払ってくれていたことを考えると、すごいことだと思います。
そして今は若者が足りておらず、16歳でも日当10,000円で雇ってくれる会社もあるそうなので、昔よりも待遇は良くなっていると言えそうです。
まとめ
今回は中卒でも鳶職になれるのか?についてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
鳶職は、学歴や経験の有無に関係なく働くことができる数少ない職業です。
厳しい人間関係や荒っぽい言葉遣い、重いものを運び続けるなど、肉体的・精神的な辛さはあります。
その一方で、手に職をつけられ、実力に応じてどんどん収入がアップしていくのは大きなメリットと言えるでしょう。