足場材にはアンチと呼ばれる部分があります。
アンチとは、踏板、布板、床付布板とも呼ばれ、足場内の作業用の通路などあらゆる床部分にアンチが敷かれています。
掴み金物である引掛けフックのついた足場板というイメージです。
平行に並んだ単管の間などにはめ込む形で足場として使われています。
長さや横幅によって種類が分かれており、これらを組み合わせることで様々な足場に対応可能となっています。
アンチの使用用途は?
足場でいう「布(アンチ)」とは、垂直に建てれている建地の間を腕木とともに水平方向につなげていく部材のことです。
建地とは足場部材の一つで、縦方向の支柱のこと。
主に単管足場、くさび緊結式足場の支柱をさし、枠組足場の門型部材は「建枠」と呼びます。
腕木とは足場部材の一つで、支柱である2本の建地間の横材のことです。
2本の建地を固定するため、作業床を設置するために必要な部位です。
ジョイントやクランプによって支柱と繋がれます。
ただの単管ではなく、支柱である建地に付けられたポケット金具に、布の両端に付けられた「くさび」を打ち込みながら立てる足場をくさび緊結式足場といいます。
その布は、両端にくさびが付いており、建地に付けられたポケット金具へハンマーで打ち込むように設置します。
そのため「打ち込み式足場」とも呼ばれます。
アンチの種類
現在足場で使われるアンチは幅40cmの通称「ヨンマル」タイプが主流です。
平成27年7月より施行された安全衛生法規則改定において新たな床面の隙間への規定が設けられたことから、今後は幅50cmの「ゴーマル」タイプが普及しだすのでは、と業界では言われています。
足場の作業床に係る墜落防止措置の充実(安衛則:第563条)に定める足場における高さ2m以上の作業場所に設けられる作業床の要件に「床材と建地との隙間は12㎝未満とすること」という文言が追加されました。
ただし12cm未満であってもメッシュシート等と作業床の隙間から工具、端材、瓦礫等が落ちる危険が残るので、別途、この隙間からの飛来・落下防止措置を講ずる必要があります。
アンチという名称の由来
「アンチ」という名称はアンチスリップメタルという製品名が由来です。
つまり、アンチスリップ鋼板の略語です。
小さな穴あきの、すべりにくくて軽く、通気性がある鋼であり、用途としては建設工事現場の足場、立体駐車場、鋼製の階段などでよくみられます。
有孔アンチスリップ鋼板はある一定の厚みを持った板の表面に突起を成形したもので、有孔ノンスリップ鋼板と呼ばれることもあります。
突起部であらゆる方向への滑り止め効果を発揮するので平面や斜面、屋内外問わず使用されています。
歩道用溝蓋や、機械周りの作業床など迅速な作業を必要とする場所にも採用があります。
突起した形状は強度もあり、長期間繰り返し使用しても効果を失いにくい特徴を有しています。
突起形状の先端部分に孔を開けることにより水を通過させる効果も得られます。
素材としては主に鉄が使われていますが、屋外で使用する場合は錆の防止のために表面処理や塗装が必要です。
そのまま使用する場合はステンレスが適切です。
アンチの市場価格
市場価格は一枚あたり4000円〜13000円となっています。
光洋機械産業、ピカコーポレイション、アルインコ、長谷川工業などが有名なブランドです。
まとめ
アンチは掴み金物である引掛けフックのついた足場板のことをいい、布板や踏板ともいいます。
アンチの種類は幅40cmのものが主流ですね。
突起部であらゆる方向への滑り止め効果を発揮するので平面や斜面、屋内外問わず使用されています。
また、アンチの市場価格は一枚4000円から13000円位でした。ぜひ参考にしてみてください。