足場板は杉などの木製の物とアルミ、スチールなど金属製の物があります。
素材によって足場板の強度・耐久性は異なります。
過度な負荷をかけてしまうと危険ですので現場の安全性を高めるためにも足場板の強度や耐久性については作業員ひとりひとりがきちんと理解しておくことをオススメします。
そこで今回は足場板の種類別の強度・耐久性について詳しく解説していきます。
足場板の種類別の強度・耐久性について
それでは足場板の素材別に強度や耐久性を見ていきましょう。
木製足場板の強度・耐久性
木製足場板は材料が木ですので個体差があり、厳密には強度は異なります。
一般的に使用されている杉足場板の一例を見てみましょう。
杉足場板(サイズ:36×220×2000mm 重量:約5.8kg)の強度
乾燥時 | 断面2次モーメント | 断面係数 | 平均収縮率(%) | 強さ(KN/cm2) | ヤング係数 | ||||
比重 | 柾目方向 | 板目方向 | 曲げ | 圧縮 | せん断 | ||||
0.38kg | 85.54cm | 47.52cm | 0.10 | 0.25 | 650 | 350 | 60 | 75×103KN/cm2 |
杉足場板(サイズ:36×220×2000mm 重量:約5.8kg)の安全積載荷重(kg)
断面 (mm) |
足場板スパン(支点間隔) | ||||||||
0.9m | 1.2m | 1.5m | 1.8m | ||||||
板巾 | 板厚 | 集中荷重 | 等分布荷重 | 集中荷重 | 等分布荷重 | 集中荷重 | 等分布荷重 | 集中荷重 | 等分布荷重 |
220 | 36 | 221 | 442 | 166 | 332 | 133 | 266 | 111 | 222 |
杉足場板の許容応力度は105kg/cm2です。
スチール製(鋼製)足場板の強度・耐久性
スチール製足場板は合板足場板より30%軽く、取扱いや運搬等が容易であることから近年様々な現場で使用されています。
同一荷重におけるたわみはアルミや合板製足場板の半分となっています。
スチール製足場板(サイズ:4.0m 重量:12.5kg 安全率:2.5)の強度
材 質 | KTG S2 |
引 張 強 さ | 61.8~75.5KN/cm2 |
ヤ ン グ 係 数 | 20.6×103KN/cm2 |
断 面 積 | 9.6cm2 |
断 面 係 数 | 3.73cm3 |
断 面 2 次 モ ー メ ン ト | 9.94cm4 |
許容荷重(支持間隔 1800mm) | 1.47KN |
タワミ(中央集中荷重 1.47KN) | 9mm |
スチール製足場板(サイズ:4.0m 重量:12.5kg 安全率:2.5)の安全積載荷重(kg)
断面 (mm) |
足場板スパン(支点間隔) | ||||||||
0.9m | 1.2m | 1.5m | 1.8m | ||||||
板巾 | 板厚 | 集中荷重 | 等分布荷重 | 集中荷重 | 等分布荷重 | 集中荷重 | 等分布荷重 | 集中荷重 | 等分布荷重 |
250 | 40 | 300 | 600 | 230 | 460 | 180 | 360 | 150 | 300 |
スチール製足場板の許容応力度は1900kg/です。
別の条件のスチール製足場板の強度も見てみましょう。
スチール製足場板(サイズ:40mm×250mm×1000mm 重量:3.5kg)の強度
材質 | KTG S-2 |
引張強さ | 61.8~75.5kN/ cm² (6,300~7,700kg/ cm²) |
ヤング係数 | 20.6×103kN/ cm² (2.1×106kg/ cm²) |
断面係数 | Z=3.73cm3 |
断面2次モーメント | I=9.94cm4 |
支持間隔 | 90cm | 120cm | 150cm | 180cm |
許容荷重 | 2.94kN (300kg) | 2.26kN (230kg) | 1.77kN (180kg) | 1.47kN (150kg) |
アルミ製足場板の強度・耐久性
続いてアルミ製(合金)足場板の強度、耐久性を見ていきましょう。
アルミ合金製の足場板は堅牢でかつ安全性を兼ね備えていて多くの現場で用いられています。
耐食性にもすぐれており経年変化による強度低下がないことから半永久的に使用可能です。
重量は合板足場板の約2分の1で、輸送コストの低減にもつながります。
アルミ合金足場板(サイズ:6m 重量:36.3kg) の強度
引張強さ | 曲げ応力 | 最大曲げモーメント | ヤング係数 | たわみ量 | 断面係数 | 断面2次モーメント |
20.5kN/cm² 2,091.8kg/cm² | 49.2N・mm² 492kg/cm² | 2,025,000N・mm 20,250kg/cm | 6.86×104kN/cm² 7×105kg/cm² | 38.7mm 3.87cm | 41,164mm3 41.164cm³ | 1,851,760mm4 185.176cm4 |
アルミ合金足場板(サイズ:4m 重量:18.8kg) の場合
許容荷重 | タワミ | 安全率 |
200kg | 11mm | 3.0 以上 |
材質 | 引張強さ | ヤング係数 | 断面係数 | 断面二次モーメント |
A6063S−T5 | 2,500kg/cm2以上 | 7×105kg/cm2以上 | 11.7cm3 | 25.5cm4 |
アルミ合金足場板(サイズ:36mm×240mm×4000mm 重量:7.2kg 安全率:3.0以上)の強度
材 質 | A6063S-T5 |
引 張 強 さ | 24.5KN/cm2以上 |
ヤ ン グ 係 数 | 6.86×103KN/cm2以上 |
断 面 積 | 6.6cm2 |
断 面 係 数 | 5.5cm3 |
断 面 2 次 モ ー メ ン ト | 12.4cm4 |
許容荷重(支持間隔 1800mm) | 1.2KN |
タワミ(中央集中荷重 1.47KN) | 13mm |
まとめ
今回は足場板の種類別の強度・耐久性について詳しく解説いたしました。足場板には木製や鋼製の物がありますが素材によって強度や耐久性は大きく異なります。現場の安全のためにもどのくらいの強度がある物なのかしっかりと理解して作業に取り組むようにしましょう。