朝顔とは、道路などに面した工場現場で足場からはみ出した状態で設置し、仮設足場からの落下物が通行人などに危害を与えないように足場に取り付ける防護棚のことをいいます。
上向きに傾斜した防護棚の姿が花の朝顔のようなことに由来し、建設業界ではこの防護棚を朝顔と呼びます。
最近の朝顔は、キット化されたものを組み立てるだけになっており、部材もアルミなどの軽量金属を使って作られていて、高所で組み立てやすい工夫もされています。
朝顔の取り付け手順について
朝顔の組み立て方について、大手足場レンタル会社の日本レンテクトが解説動画を載せているので、こちらに紹介します。
組み立ての大まかな流れは以下の通りです。
- 直線部のフレーム受け金具・斜材受け金具を組み立てる
- コーナー部の隅フレーム受け金具・隅斜材受け金具を組み立てる
- 妻側部の妻側フレーム受け金具・妻材斜材受け金具を組み立てる
- 直線部の朝顔を組み立てる
- 妻側部の朝顔を組み立てる
- コーナー部の朝顔を組み立てる
また、組み立ての際には以下の施工基準を参考にしてください。
朝顔 施工基準
- 地上から10m以上の足場では1段以上、20m以上の場合は2段以上取付けてください。2段目は地上から10m以内(一般には4~5m)に設け、2段目以降は下段の朝顔から10m以内に設けること
- 朝顔の突出しの長さは足場から水平方向に2m以上とし、水平面に対する傾きは20度以上必要
- 取付位置は立枠の横架材のところとし、壁つなぎを2スパン毎朝顔の上下段に
設けること - 万能板はすき間なく全面に張ること
上記の施工基準を守り、朝顔を設置するようにしてくださいね。
続いては朝顔の設置のコツです。
朝顔の設置のコツ
朝顔取り付け時のコツは以下です。
- 朝顔の組立、解体においては、足場の組立作業主任者を専任し、安全帯の使用など、
労働安全衛生規則を順守して作業を行ってください。 - ご使用前に製品の異常のないことを確認してください。万一、異常のある時は絶対に
使わないでください。 - 組立前に部品(ボルト、ネジ等)の抜け落ちがないか確認してください。部品の抜けが
あった場合は必ず補充してから組立を行ってください。 - 朝顔を設置する建枠には壁つなぎを『朝顔の引張材(フレーム)』または『朝顔圧縮材(斜材)』の2スパンごとに設置してください
- 朝顔を設置する前には防音パネル・養生枠などが防音パネル使用時は75mm、養生枠使用の時は55mmの寸法内で設置できるか確認してください。
- 朝顔フレームの組み立て、解体にはロープを用いて作業を行ってください。
- 設置された朝顔の上には乗らないでください。
- 強風時は朝顔を起こしてフレームをロープで建枠に固定してください。
特に危ないのがせり出し幅の不足で、道路占有との関わりで水平面で2mの基準に満たないケースが多いそうです。
角度を本来よりきつくしてしまうとせり出し幅が不足してしまうことが多いです。
足場から水平距離で2mという、せり出し幅が守られていないといけません。
前述した施工基準の通り「地上からの高さ4~5mの箇所に一段目を設け」 とあります。
改修現場などでは、丁度この高さに電線などがあり、取り付けられない場合もあるかと思います。
しかし、この場合は4~5mより低い場所に取り付ける努力をしなければいけませんので、設置の際は十分に認識しておいてください。
まとめ
最近の朝顔は、キット化されたものを組み立てるだけになっているので、キットに付属のマニュアルを読めば簡単に組み立て可能です。
施工基準がありますが、特にせり出し幅の不足が基準に満たないというケースが多いので注意が必要です。
地上からの高さも電線などがあり、取り付けられない場合もあるかと思いますがその場合は低い場所に取り付けてください。
また足場同様に組み立て作業主任者を専任し、通常の足場組み立て同様に部品の抜けがないか注意して、安全に配慮しながら組み立ててくださいね。