朝顔は建設工事の現場から落下物が外部に落下し、通行人など第三者に対する危害を防止するために足場の外側面にはね出して設けてある落下防止設備のことで、その形から一般的に朝顔と呼ばれています。
この朝顔は、最近では現場で簡単に組み立て解体できるようにキット型になっているのが主流です。
朝顔の設置単価・価格
落下防止設備である朝顔の設置単価は、1メートル当たり5500円となります。
例として10メートルならば10×5500円=5万5000円位になります。
事例としての例をあげれば、RC7階建て(足場 7.9 m× 31.5 m、高さ 21.5 m)の外壁改修工事において、東側(約7m)が歩道(3.4m幅)に接し、道路境界線まで0.8mの場合、建設工事公衆災害防止対策要綱の規則等により、
建物から一定の範囲内に道路などの施設が有れば防護施設を設置することになっています。
事故が発生した場合、発注者にも責任があります。
東側の約7mには必ず朝顔を設置しなければならないので、7×5500=38500円は必ず必要になります。
しかし、今回の例の場合は高さが20メートル以上あるため、2段以上取り付ける必要があります。
ですので7×5500×2=77000円必要ということになります。
建設工事公衆災害防止対策要綱が基本となり、全国各市町村において条例で第三者災害に対する危害防止措置を取り決め、それぞれの権限において施行しているのが実情だと思われます。
したがって防護棚(朝顔)の設置の要否については、道路占用許可を申請する各地の土木事務所等で確認されるといいでしょう。
幹線道路とそうでない道路など、単に道路境界といっても差があったり歩行者がほとんどいない場所でも防護棚が必要かなどの議論もあったりしますし、接する路線等によっても取り扱いが違うこともありますので、土木事務所等に確認されることをおすすめします。
朝顔を設ける際の注意事項
防護棚(朝顔)を設ける場合は次のことに気をつけてください。
- 朝顔は、工事場所が地上から10メートル以上の場合は一段以上、20メートル以上の場合は二段以上取り付ける
- 一般には、地上からの高さ4メートル〜5メートルの箇所に一段目を設けて、二段目移行は下段の朝顔から10メートルより低い間隔の所に設けることが望ましい
- 朝顔のはねだし長さは、足場から水平距離で2メートル以上とし、また、水平面となす角度は20度以上
- 敷板は、厚さ30ミリメートル程度のひき板、合板足場板、または厚さ1.6ミリメートル以上の鉄板を用いるのが良い
- 朝顔取り付けふきんの足場部分には壁つなぎを、通常よりも間隔を狭めて取り付ける
- 隅角部は、単管パイプなどにより確実に取り付ける
- 足場板または鉄板は、隙間のないようにし、ころばし材、張り出し材に番宣または釘止めなどにより確実に固定
- 朝顔の取り付け作業においては、危険が高所作業となる場合が多いので、作業者に安全帯を必ず使用させる
- 取付状態などについては適宜点検
上記の事項に留意し、安全に設置しましょう。
まとめ
防護棚(朝顔)の設置単価・価格は1メートル当たり5,500円くらいになります。
高さによっては2段以上設けなければならない場合があります。また設置する道路によっては不要の場合もありますので、土木事務所などに確認を取るのが良いでしょう。
また、朝顔のはねだし基準はとてもよく注意されるので、水平2メートル以上、角度20度以上は守るようにしましょう。高所での作業になるため、作業員に安全帯を必ず使用させましょう。