職長・安全衛生責任者能力向上教育とは？受講方法や条件など紹介

職長・安全衛生責任者能力向上教育とは？

職長は建設現場で働く作業員の安全衛生を確保する、責任ある立場です。
建設業における労働災害を防止する上で、職長の果たす役割が大きいことから、労働安全衛生法第19条の2で「職長教育」を受けることが義務付けられています。

また、厚生労働省などによる行政通達で安全衛生教育の推進、優良な職長に対する顕彰の実施などが求められています。

職長・安全衛生責任者能力向上教育はそうした安全衛生推進の一環で、職長・安全衛生責任者教育の受講修了後、概ね5年を経過した方、または機械設備等に大幅な変更のあった場合を対象とする、職長の再教育のための講習となっています。

「職長・安全衛生責任者能力向上教育」講習のカリキュラム

職長等及び安全衛生責任者として行うべき労働災害防止に関すること(2時間)

・建設業における労働災害発生状況
・労働災害の仕組みと発生した場合の対応
・作業方法の決定及び労働者の配置
・作業に係る設備及び作業場所の保守管理の方法
・異常時等における措置
・安全施工サイクルによる安全衛生活動
・職長等及び安全衛生責任者の役割

労働者に対して指導又は監督の方法に関すること(1時間)

・労働者に対する指導、監督等の方法
・効果的な指導方法
・伝達力の向上

危険性又は有害性等の調査に関すること(0.5時間)

・危険性又は有害性等の調査の方法
・設備、作業等の具体的な改善の方法

グループ講習 (2.2時間)

以下の項目のうち1つ以上実施する

・災害事例研究
・危険予知活動
・危険性又は有害性等の調査及び結果に基づき講ずる措置

上記のカリキュラム内容で、合計5.7時間の講習となっています。

職長・安全衛生責任者能力向上教育の受講方法や受講条件は？

職長・安全衛生責任者能力向上教育は各地域のゼネコンや建設会社が開催している講習会に申し込むことで講習を受けることができます。

受講条件としては、職長・安全衛生責任者教育を修了した方で受講後おおむね5年以上経過された方が対象となっています。
受講機関などは問われませんが、職長・安全衛生責任者教育を修了しているかの確認のため、職長・安全衛生責任者教育修了証の写しが必要な場合があります。

講習費用は開催する企業によって異なりますが、テキスト代などを含めて10,500円前後となっています。
講習に実技はなく、服装は自由です。
持ち物は各開催場所によりますが、テキストは現地で配布されるところがほとんどなので筆記用具と受講票だけでいいところが多いです。

職長・安全衛生責任者教育の受講方法などについて詳しくはこちらの記事もご一読ください。
↓↓↓↓
職長安全衛生責任者教育（職長教育）の受講資格やメリットを徹底解説

まとめ

今回は職長・安全衛生責任者能力向上教育とは何か、そして受講方法、受講条件などについてご紹介いたしました。
職長・安全衛生責任者教育を修了し、おおむね5年以上経っている方を対象とした、安全衛生の再教育のための講習となっています。職長は建設現場で働く作業員の安全を確保する責任ある立場ですので、該当する方は講習を受けたいエリアの開催日程、開催場所などを調べておくといいでしょう。