国税庁が公開しているデータでは、個人事業主に対する税務調査が1.1%と言われています。
法人への税務調査が3%程度であることを踏まえると、個人事業主は税務調査の対象に選ばれにくいと言えます。
しかし、建設業や土木業、塗装業、大工などをしている一人親方は税務調査の対象になりやすく、毎年多くの個人事業主が多額の税金を余分に納めるハメになっているとか。
目をつけられてしまうからにはそれなりの理由があるものなので、時間やお金を大切にするためにも、今から対策を施しておきましょう。
一人親方が税務調査されてしまう原因4選
一人親方が税務調査されてしまう原因を4つご紹介いたします。
1.売上の計上漏れ
税務調査ではさまざまな項目について確認されますが、最も調査の目が厳しいのが「売上の計上漏れ」がないかどうかです。
売上は発生主義と言われ、「業務が完了して請求書を提出することが可能な状態」になった時に売上を計上しなければなりません。
しかし、ここを勘違いして「お金を受け取った時点」で売上を計上したり、「相手に請求書を提出した時点」で売上を計上する人がいます。この場合、年度をまたいで入金があると売上の計上漏れとみなされ、税務調査をされてしまう可能性が高いです。
2.売上高が多い
売上高がギリギリ1,000万円以下の状態が続いている場合、チェックの目が厳しくなりやすいです。
理由としては、1,000万円を超えると消費税の納付義務が生じるからです。
中には、この納付義務から逃れるために売上の一部を隠す事業者も存在するため、たとえ意図的でなかったとしても税務調査される可能性が高まります。
3.親族に給料を出すことで税負担を減らそうとする
所得税は累進課税制度により、収入が増えれば増えるほど税負担は大きくなります。
その税負担を少しでも減らすために、親族に給料を出すこともあるでしょう。
しかし、一緒に生計を立てている配偶者などに支払う給与は、一定の要件を満たさなければ必要経費として認められません。
申告方法によっては専従者の給与に関する届出を出す必要があるなど、様々な要件が定められているので注意してください。
4.税務に無頓着で申告をしない人が多い業界だから
冒頭でも述べた通り、一人親方などの個人事業主は本来あまり税務調査はされません。
一般的に個人事業主に対する税務調査は1%程度で、法人の税務調査率の3%に比べ少ないと言われています。
しかし、建設関連の業種は昔から帳簿をきちんとつけない人が多く、税務調査される確率が高い傾向にあるようです。
その理由は税務に無頓着で申告業務を怠る人が多いからだそうです。
なるべく税務署に目をつけられないためにできる対策
税務に関する知識を身につけ、漏れなく申告を行うことです。
税理士を雇うなど、専門家に依頼するのも一つの手だと思います。
売り上げの計上漏れには特に注意が必要で、売上の計上は「発生主義」すなわち「業務が完了して請求書を提出することが可能な状態」になった時に行うと覚えておきましょう。
そして、あとは「しっかり帳簿をつけ、しっかり申告する」に尽きます。
売上をちょろまかそうとするぐらいなら倍稼ぐ!ぐらいの心意気でいきましょう。
まとめ
今回は「一人親方が税務調査されてしまう原因」と「税務署に目をつけられないための対策」についてご紹介いたしました。
税金の支払いを逃れるために売上を隠そうとしたり、知識が無いからと適当に済ませようとするのはご法度です。
正しく申告するのが基本中の基本ですから、きちんと税務に関する知識を身につけましょう。
業務に関係ないところで評判を落としていてはもったいないです!
自分で出来ないなら外部の助けを借りる(税理士を雇う)のも一つの手ですね。