これまで主流だったコンクリートブロックの塀は水を吸うと乾きにくいので家屋に湿度が溜まりやすく、見た目も閉鎖的で味気がありませんでしたが、近年は、濡れても乾燥しやすい・木の温もりを感じられるといったことから木製フェンスが見直されています。
DIYで自分の好みの形を作れるところも魅力で、ホームセンターで安価に手に入れられて加工もしやすい杉足場板で自作する人もあるのですが、実は、杉足場板は屋外使用には向かない素材なのです。
足場板でフェンスを作るのはNG？
現場で使われる足場板には、広葉樹製と針葉樹製があります。
広葉樹は成長速度が遅いので年輪が密で丈夫な替わりに、値段が高くなり、重くて加工にも時間がかかります。
針葉樹は成長速度が早く量産できるので安価で、軽さと加工しやすさから、足場板の多くが針葉樹製です。
足場板は、工事期間中は雨風にさらされるので防腐剤を圧入してはいますが、安全性確保のため、3～5年で現場では使用しなくなります。
つまり、耐久年数が短さから言って足場板でフェンスを作るのはNGと言わざるを得ません。
杉足場板を屋外で使用できない理由
杉の中心材は木造船の素材になる強度と防腐性があります。
しかし、足場板製造時は幹の外側周辺の「白太」と呼ばれる腐りやすい部分の割合が大きいので、防腐剤を塗布しても屋外で長期間耐えられるものではないとして、中古足場板販売会社も注意を促しています。
天候の変化で膨張と収縮を繰り返すうちに木材腐朽菌が侵入し、梅雨・秋の長雨の時期に濡れたままの状態が続くと菌が活発化して腐食が進み、腐り落ちることもあります。
接着剤で貼り合わせた合板に比べ、1枚板である杉足場板は歪み・ひび割れなどの劣化が早く起こることも覚えておいて下さい。
この特性はペンキの剥がれやすさにも繋がり、防腐目的でこまめに塗り直してもすぐに剥がれるので耐久性を保てないのです。
近年ホームセンターでも販売されるようになった浸透性が高い防腐剤を塗布しても、やはり杉足場板の耐久持続年数は数年が限度と考えておいた方がよいでしょう。
杉の柔らかさは虫が好むところでもあり、これは防腐剤では防げません。
外見に変化は見られなくても、内側は虫に食い荒らされてボロボロになっていることが多々あります。
こうなってしまうと、少し押しただけで簡単に板が折れます。
このように、杉足場板を屋外で使用していると、問題がないように見えていたのに、ある日突然崩壊する危険性が高く、自分たちだけでなく周囲の人を危険に晒す恐れがある訳です。
杉足場板は屋外では使用せず屋内で使うようにして下さい。
まとめ
今回は足場板でフェンスを作るのはNGなのか、杉足場板を屋外で使用できない理由についてご説明しました。杉足場板の滑らかな風合いをフェンスなど屋外で活かしたいところではありますが、木が持つ元々の性質上の理由により、残念ながら屋外での使用はおすすめできません。屋内用の素材として使って下さい。
