建設業といえば、時に危険なこともある職業です。そこで万が一の備えとして足場会社が加入すべき保険は大切なものです。
しかし、保険会社のホームページやパンフレットをみていても、難しい法律用語や数字が並び、読んでいられない気持ちになってしまいますよね。
工事中の損害に対する保険
まず工事に携わる上で加入するべき必須の保険は、賠償責任保険と労働災害保険の上乗せの保険の2つです。
賠償責任保険
工事や工事完了後に他人に損害を与えてしまったときの保険で、通行人に怪我をさせてしまったり、他人の物を壊してしまったりなど工事をしていれば可能性はゼロとは言えない危険に対する保険が賠償責任保険です。
例えば、高層の作業現場から道具を誤って落として通行人が怪我をした場合や、建設工事中の足場が外れて隣接する、建物を損壊した場合などビルに取り付けた足場の設置ミスにより、資材が転倒して、通行人に怪我を負わせた場合などです。
賠償責任保険には注意点があります。
自社で雇っている職人などの怪我は労災保険の対象になります。
自社の工具や資材などの損害は、建設工事保険などの別の保険の対象になります。
事故が起きたあとに揉めないように気になるところは保険代理店にしっかり説明してもらうようにしましょう。
もちろん故意や犯罪行為、災害などによっておきる損害は保険の対象になりません。
また保険料は売上高によって決まります。
損保会社によってはISOを取得していたり、過去3年間保険を使うような事故がない場合などに独自の割引制度があるものもあります。
労働災害保険の上乗せの保険
次に、労働災害保険の上乗せの保険は、もちろん労働者である以上労災は強制加入することが必須ですが、雇っている職人や下請けの職人が現場で怪我をした場合などに備えるのが上乗せの労働災害保険です。
はるか昔は怪我と弁当は手前持ちということがありましたが、現代では労災訴訟は会社の規模に関わらず、莫大な金額になります。中小零細企業においても訴訟を起こされるリスクはあります。
労災訴訟にそなえて、上乗せで保険に加入するべきです。
例えば死亡事故などが起きれば政府の一時金は約600万円程度。
もし妻子などをもっている職人の死亡事故が起きた場合、それだけで大丈夫、とはいえません。
死亡や後遺症などの重大事故に特化した、最悪の重大事故に備える保険や休業保障も保障する保険などがあります。
- 使用者賠償責任保険 ： 限度額1億円
- 死亡保険金額 ： 3,000万円
- 後遺障害保険金 ： 90〜3,000万円（＊後遺障害１〜１４級の程度に応じて）
- 休業補償保険金日額 ： 5,000円（30日間 ＊免責期間なし）
- 月払い保険料 ： 約44,000円から57,000円/月
上記が一般的に加入すべき保険の内容例です。
政府労災があるから大丈夫とは必ずしも言えないので、高額訴訟に備えておくことは肝心です。
その他の保険
他にも足場等の材料が盗難にあった場合に備える保険や、自動車事故に関する保険、火災保険など複数の商品がありますので、万が一の際の保障や訴訟リスクを抑えるために保険代理店などで詳しく聞いておくことが大切です。
まとめ
足場会社が加入するべき保険はまず、賠償責任保険です。
必ず工事中と工事引渡し後に発生した事故に対応できる保険に加入しておきましょう。
また会社の従業員、アルバイト、複数の下請けの職人など会社の業務や工事に関わる人の業務上のケガに備える労災の上乗せ保険も必要です。
その他にも複数の保険商品がありますので、万が一に備えて、保険代理店などでしっかりと説明を受けましょう。
